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保健師だより

毎月発行される香川県建設労働組合の機関誌「香川建設ユニオン」において、保健師による健康に関する記事を連載しています。
こちらでは、過去に掲載された記事をご紹介しています。

令和5年5月号に掲載

2023-05-10
【保健師だより】STOP《座りすぎ》
 あなたは1日にどのくらいの時間を座って過ごしていますか。
 〈座る〉こと自体は悪くないのですが、〈座りすぎ〉は身体に悪影響を与えることがわかっています。
 オーストラリアの研究では、日本人の成人が平日に座っている時間が世界20カ国の中で、一番長い7時間ということが分かりました。世界平均は5時間です。
 長時間座り続けることで、下半身の筋肉活動が低下し、血流悪化・代謝低下がおこり、心筋梗塞、脳血管疾患、肥満、糖尿病、がん、認知症など様々な病気を引き起こすとされています。座っている時間が長いほどリスクは上がり、1日に11時間以上座っている人は、死亡リスクが約40%も高まると言われ、2012年にはWHOも座りすぎが世界で年間200万人の死因になっていると発表しています。
 「運動しているから大丈夫」と思う方もいるかもしれませんが、運動習慣の有無に関わらず、テレビ視聴時間が長いほど糖尿病にかかるリスクが高いという研究結果もあるので、〈座りすぎ〉と〈運動不足〉は別問題と考えましょう。
【動くことを意識】
 座りすぎによる健康リスクを軽減するには、30分に1回3分間程度立ち上がり、動くと効果的です。1時間に1度の場合は、5分程度の立ち上がりが必要です。
 仕事で立ち上がることが難しい場合は、かかとの上げ下げやふくらはぎのマッサージを取り入れましょう。
【自宅での座りすぎ解消例】
・見ないテレビは消す
・ネットサーフィンは時間を決める
・座りながらテレビを見る時間を減らす
・テレビCMの時は立ち上がって、ストレッチや家事などを行う
・ネットショッピングよりも買い物に出かける
 
 いかがでしたか。現時点では、どのくらい座ると健康によくないか、具体的な数字は明らかになっていませんが、無理のない範囲で座りすぎを避けましょう
保健師への問い合わせ先:TEL:087-866-4721
~健康に関するご質問、ご相談について、お気軽にご連絡ください~

令和5年4月号に掲載

2023-04-10
【保健師だより】インターバル速歩にチャレンジ!
 1997年に長野県で、健康事業として「1日1万歩のウォーキング」プログラムが開始されました。継続率は30%、生活習慣病の予防・改善効果はあるものの、筋力向上はみられませんでした。そこで考えられたのが、インターバル速歩です。
 インターバル速歩は、筋肉に負荷をかけるウォーキング方法です。生活習慣病予防・改善はもちろん、筋力向上にも有効です。更に、睡眠の質、認知機能、関節痛、骨粗しょう症の改善効果も報告されています。
【歩き方】
 「さっさか歩き(速歩)」と「ゆっくり歩き」を3分間ずつ交互に繰り返すウォーキング方法です。「さっさか歩き」は、ややきついと感じる程度の早歩きです。どちらが先でも効果は同じです。
 1日の「さっさか歩き」の合計時間が15分になればよいので、「さっさか歩き」3分と「ゆっくり歩き」3分を1セットとし、1日5セットを目標にしましょう。朝と晩に、分けて実施しても大丈夫です。目標は、週に4日以上ですが、無理せずできる範囲で行いましょう。休みの日にまとめて30分ずつ歩くのもよいです。
【注意点】
 インターバル速歩を始める前に、足のストレッチをし、けがの予防をしましょう。特に早歩きは転びやすいため、足がもつれないように気をつけましょう。
 心臓や肺の病気の方は主治医に相談してください。
【ウォーキングの姿勢】
●背筋を伸ばして胸を張る(前かがみや猫背は、腰や膝に負担がかかるため) 
●視線はまっすぐ
●肘は90度に曲げて、後ろに大きく振る
●歩幅は大きくする
保健師への問い合わせ先:TEL:087-866-4721
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令和5年3月号に掲載

2023-03-10
【保健師だより】コレステロール指標
LH比に注目!
 LDL・HDLコレステロールともに基準値内にすることが望ましいとされてきました。しかし、近年LDL・HDLコレステロールのバランスが重視されています。実際に、LDLコレステロールが基準値内なのに心筋梗塞を起こした方が増加しており、共通点としてHDLコレステロール値が低い傾向にあります。
LH比の計算の仕方
(計算式)
LDLコレステロール÷HDLコレステロール
(例)
LDLコレステロール120mg/dl、HDLコレステロール40mg/dlの場合
120÷40=3
LH比は、3となります。
LH比の見方
《1.5以下》
血管内は健康な状態です。
《1.5以上》
コレステロールが血管内に付着し始めています。
《2.0以上》
コレステロールが血管内壁全体に蓄積しているおそれがあります。
《2.5以上》
血栓ができている可能性があります。
LH比の改善方法
●食事は腹8分目
 食べ過ぎると、コレステロールの合成が促進されます。
●油脂に注意
 肉の脂に多く含まれる飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを増やします。脂身が多いほど、飽和脂肪酸も多くなります。ベーコン、ソーセージ、カップラーメン、バター、チョコレート、菓子パン、ケーキなど洋菓子にも多く含まれているので、食べ過ぎに注意しましょう。
●豆腐、大豆、海藻、きのこを積極的に摂る
 食物繊維や植物性たんぱく質は、LDLコレステロールを低下させます。
●禁煙する
 タバコは、HDLコレステロールを減らし、LDLコレステロールを酸化させるため、血栓ができやすくなります。
●有酸素運動をする 
HDLコレステロールを増やす効果があります。1日30分・週4日程度が目安です。
保健師への問い合わせ先:TEL:087-866-4721
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令和5年2月号に掲載

2023-02-10
【保健師だより】質の良い睡眠
 日本人は他国と比較して睡眠時間が短く、睡眠偏差値が低いといわれています。就労者の平均睡眠時間は、ヨーロッパ諸国は男女ともに8時間を超えていますが、日本人は男女ともに4割の人が6時間未満の睡眠時間となっています。
 また、睡眠の質についても、20~50歳代の男女ともに「日中、眠気を感じた」と回答した人の割合が最も多く、睡眠に不満を感じている人が多い結果となっています。
睡眠の意義
●脳・身体の疲れをとる
●記憶を整理し定着させる
●ホルモンバランスの調整
●傷ついた細胞の修復と成長
●免疫力を高める
●脳の老廃物を除去
睡眠不足の影響
 睡眠量や質が低下すると、負債のように蓄積され、生活習慣病やこころの病、日中の眠気がヒューマンエラーに基づく事故に繋がることがわかっています。
【身体の変化】
倦怠感、意欲・注意力の低下、集中力低下、便秘、肌荒れなど
【疾病】
メタボリックシンドローム、生活習慣病、免疫力低下、睡眠障害、認知症、うつ病など
【睡眠力アップポイント】
朝の目覚めから1日をどう過ごすかが大切です。
〈朝〉
・朝目覚めたら、天気に関わらず、カーテンを開けて朝の光を浴びる
・休日も朝は決まった時間に起きる
・朝食をたべる
特にトリプトファン(牛乳、チーズ、卵、大豆製品、バナナ、魚、肉、ナッツ類に多い)は睡眠ホルモンのもとになるので欠かさず摂取する
〈昼〉
・昼寝をする場合は、15時までの時間で、20分程度を心がける
・可能であれば、夕方から19時までに有酸素運動を30分程度行い、体温をあげる(深部体温が下がると、眠気が起こりやすい)
〈夜〉
・夕方以降のカフェイン摂取は控える
・入浴温度はぬるめ、寝る90分前までに済ませる
・パソコン、スマホの使用は控える(ブルーライトが睡眠ホルモンの分泌を抑制するため)
保健師への問い合わせ先:TEL:087-866-4721
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令和5年1月号に掲載

2023-01-10
【保健師だより】測るだけダイエットにチャレンジ
 年末年始は、行事も多く、気がつけば体重が増えていたという話をよく聞きます。今月号は、測るだけダイエットをご紹介します。
 測るだけダイエットは、文字通り、体重測定を行い、グラフに記録します。毎日続けると、なにが原因で太ったのか気づきやすくなります。その結果、生活習慣の見直し、ダイエットへと繋がります。
 まずは、洗面所や寝室など、測りやすい場所に体重計を置きましょう。アナログ体重計よりデジタル体重計がおすすめです。
【同じ時間に測定】
 朝晩2回、体重を測ります。朝は起床後トイレのあと、晩は夕食後が理想ですが、難しければ、測りやすいタイミングで測定してください。なるべく同じ時間帯に測定しましょう。朝と比べて、夜は体重が増えていますが、その差が1kg以内が許容範囲です。1kg以上増えている場合、食べ過ぎか日中の活動不足が考えられます。何をどれぐらい食べたのか、活動量は普段と比べてどうだったのか振り返りましょう。
【体重日記をつける】
 体重を記録するときに、食事のメニューやおやつの量、外食や宴会の有無、運動量なども一緒に記録しましょう。
【気づいたことを実行する】
 毎日記録すると、どんな時に体重が増えやすいか、なにをしたら減るのかなどが見つけやすくなります。
 ビール2本を1本に減らしたり、夕食後の間食をやめるなど気づいたことを実行し記録しましょう。実行したことと体重の変化が一目でわかり、励みになります。
 いかがでしたか。最近は、体重をグラフで記録するアプリもあります。この機会に、測るだけダイエットに挑戦してみませんか。
保健師への問い合わせ先:TEL:087-866-4721
~健康に関するご質問、ご相談について、お気軽にご連絡ください~
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